長島八景・黒之瀬戸自然公園~万葉集にも詠まれた激流の海峡~鹿児島県長島町~

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この記事は鹿児島地元人のララが書いています。

道の駅「黒之瀬戸だんだん市場」の駐車場から細い道を登っていくと、絶景が目の前に広がります!

長島に来たら、ぜひ見ていただきたい光景です!

 

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黒之瀬戸(くろのせと)

黒之瀬戸は長島(鹿児島県長島町)と阿久根市の間にある海峡です。

長島八景・黒之瀬戸自然公園

黒之瀬戸自然公園では、この黒之瀬戸を間近に眺めることができます。

 

黒之瀬戸大橋

黒之瀬戸大橋は1974年(昭和49年)に建てられました。

橋の長さは502メートル、幅は7メートルあります。

長島八景・黒之瀬戸自然公園

黒之瀬戸大橋の全景を眺めることができるのは、この自然公園だけです。

どこまでも青い空、空よりも更に青い海、青い橋、そして阿久根の深い緑。

これらが美しいコントラストを生み出しています!

 

黒之瀬戸の南には東シナ海が広がります。

長島八景・黒之瀬戸自然公園

 

黒之瀬戸の北には八代海が広がっています。

海の向こうには水俣市や八代市の街並みが見えます。

長島八景・黒之瀬戸自然公園

 

強い潮流

来島海峡(愛媛県)や針尾瀬戸(長崎県)と並んで、黒之瀬戸は日本三大急潮の1つに数えられることもあります。

黒之瀬戸は幅が一番狭い場所で330メートルしかありません。

黒之瀬戸(出典:wikipedia)

 

黒之瀬戸自然公園の展望所から、この海峡を上から見下ろすことができます。

長島八景・黒之瀬戸自然公園

流れが強く、まるで大きな川のようにも見えます。

潮流の速さですが、最大で時速14.4キロにも達するようです。

長島八景・黒之瀬戸自然公園

潮汐の関係で、運が良ければ、1日に3~4回、渦が巻いている様子も見えます。

長島八景・黒之瀬戸自然公園

潮流が速く流れるダイナミックな様子を、間近で見ることができます。

動画を撮影したので、ぜひご覧になってください。

 

黒之瀬戸を詠んだ歌碑

黒之瀬戸海峡を題材に詠まれた歌碑が4基立っています。

長島八景・黒之瀬戸自然公園

現代語訳がなかったので、私なりに(  )の部分に訳してみました。

黒潮瀬戸の美しい光景を楽しむヒントになれば幸いです。

 

長田王(ながたのおおきみ)

万葉集は日本で一番古い和歌集として知られています。

万葉集には4,500首もの和歌が収められていますが、黒之瀬戸について詠まれた和歌が2首あります。

この2首は日本で一番南で詠まれた万葉集の和歌です。

 

長田王は、飛鳥時代から奈良時代(7~8世紀)の人で、天武天皇の孫にあたる人です。

705年頃、長田王が九州に派遣されたとき、この黒之瀬戸を見て詠んだ和歌の石碑が建っています。

長島八景・黒之瀬戸自然公園

隼人(はやひと)の 薩摩の瀬戸を 雲居なす 遠くも吾(われ)は 今日見つるかも

(隼人が住む薩摩の黒之瀬戸を、空の雲のように遠く思っていた黒之瀬戸を、私は今日ついに見ることができた)

長田王の時代、現在の鹿児島は日本ではありませんでした。隼人という部族が住む異郷の地だったのです。

長田王は黒之瀬戸に来たとき、まるで私たちが外国に行ったときのような感覚だったと思われます。

この歌には、長田王が黒之瀬戸を初めて見たときの感動の気持ちが込められています。

長島八景・黒之瀬戸自然公園

 

甲斐守保考(かいのかみやすたか)

長島八景・黒之瀬戸自然公園

音たてて はや吹きにけり 隼人(はやひと)の 薩摩の追門(せと)の 秋の初風

(隼人の住む薩摩にある黒潮瀬戸で、初秋の風が、音をたてて吹き抜けていった)

1795年(寛政7年)に記録された「麑藩名勝考(げいはんめいしょうこう)」に記載された歌です。

作者は甲斐守保考となっています。作者や出典については何も記載されていないため、詳細は不明です。

 

大伴旅人(おおとものたびと)

720年(養老7年)に現在の鹿児島で隼人という部族が大規模な反乱を起こします。

大伴旅人は1万人の軍勢を率いて反乱を鎮圧にあたりました。

長島八景・黒之瀬戸自然公園

隼人(はやひと)の 瀬戸の岩ほも 鮎走る 吉野の瀧(たき)に なほしかずけり

(薩摩の黒之瀬戸の急流も、鮎が泳いでいる吉野の急流と比べると、やはり及ばないことだなあ)

大伴旅人は黒之瀬戸の激しい流れを見て感動し、同時に鮎が泳いでいる故郷・吉野の川を重ね合わせ、故郷への懐かしさを詠んでいます。

 

長島八景・黒之瀬戸自然公園

 

源公朝(みなもとの こうちょう)

長島八景・黒之瀬戸自然公園

薩摩潟 瀬戸のはやみの 潮騒は ただ漕ぎすぎよ 碇(いかり)下(おろ)さで

(薩摩の黒之瀬戸の激しい潮流を船で進むときは、錨を下ろさず、ただ漕ぎすぎましょう)

この歌は1310年頃に成立した「夫木和歌抄(ふぼくわかしょう)」にあります。

作者は権僧上公朝(ごんのそうじょうこうちょう)という僧侶ですが、いろいろ調べましたが、13世紀後半(鎌倉時代)の代表的歌人ということしか分かりません。

また、実際に黒之瀬戸を見て詠んだ歌かどうかという点においても不明です。

 

※素人なりに翻訳してしまったので、訳に間違いがございましたら、メールにてご教授いただけると幸甚です。

 

長島八景・黒之瀬戸自然公園の観光情報

アクセス

鹿児島市から車で南九州道経由で約2時間。

入園料

無料

住所

鹿児島県出水郡長島町山門野

地図

 

近くのランチスポット

道の駅「長島ポテトハウス望陽」

 

近くの観光スポット

道の駅「黒之瀬戸だんだん市場」

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