鹿児島市桜島の黒神埋没鳥居(腹五社神社)のご紹介です。
ここには昔の桜島の大噴火の規模を今に伝える史跡が残っています。
桜島を観光する際にはぜひ訪れてほしい観光スポットです!
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アクセス&駐車場情報
桜島フェリーターミナルから車で約25分の場所にあります。
桜島フェリーターミナルから直接向かう場合は、桜島を北回りするより南回りしたほうが道が広いので、南回りで行くのがおすすめです。
埋没鳥居の道路を挟んで向かい側に無料駐車場があります。
駐車場にはトイレもあるので、ドライブ休憩がてらによるのもよいかもです。^^
バスを利用する場合は、桜島港から鹿児島市営バスに乗って、約30分~50分かかります。
大体2時間おきに1便のバスが出ています。バスの場合は待ち時間が長いので、少し退屈かもしれません💦
無料駐車場には噴火に備えた退避壕が設置されています。
今も活発に噴火する桜島にしかない、独特の建物ですね。
黒神埋没鳥居
こちらが入口です。右側の瓦葺きの建物には、観光用のパンフレットなどが置かれています。
鳥居が大人の腰の高さくらいまで埋まっています!
この鳥居は、もともと何メートルの高さだったと思いますか?
なんと、3メートルの高さがありました!
大正の大噴火
埋没鳥居のある黒神地区は、女性の髪のようなふさふさとした木が茂っていたことから「黒髪」と呼ばれ、それが後に「黒神」へ次第に変わったと伝えられています。
昔は薩摩藩を治めた大名(島津家)の別荘があり、周辺には島津家の子孫が多く、他の桜島の地域より、ゆっくり優しくしゃべる人が多いです。
この鳥居は1914年(大正3年)1月12日の大噴火で埋まりました。
高い鳥居をここまで深く埋もれさせた爆発とは、いったいどんな規模だったのでしょう?
噴煙は上空7千メートルにも上がり、30億トンもの溶岩が吹き出て、海に隔てられていた桜島と大隅半島がつながりました。
140人もの人が亡くなったと伝えられています。
腹五社神社
噴火で埋没した鳥居は「腹五社神社」という神社のものです。
埋没鳥居から100メートルほど歩くと、社殿に到着します。
石造りの堅固な社殿です。これなら噴火にも耐えられそう。
腹五社神社では次で紹介する神様の他に、安産にご利益のある観音様が祭られています。
腹五社神社の祭神
初代天皇(神武天皇)の祖神6柱が祭られています。
瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)
ニニギノミコトは太陽神アマテラスの孫です。
アマテラスの命を受け、日本を統治するために霧島(高千穂峰)に降臨しました。
初代天皇(神武天皇)の曽祖父にあたります。
「稲穂の神」として有名で、五穀豊穣、畜産、国家安泰、家内安全などのご利益で有名です。
ニニギを祭る有名な神社には、霧島神宮(霧島市)や新田神社(薩摩川内市)などがあります。
ニニギの陵は、可愛山上陵(薩摩川内市)にあります。
木花之開耶姫(コノハナサクヤヒメ)
コノハナサクヤヒメは天孫ニニギの妻で、絶世の美女だったと伝えられます。
ニニギがコノハナサクヤヒメとの結婚を申し込むと、父のオオヤマヅミは喜び、姉の岩長姫(イワナガヒメ)も妻に差し出しました。
しかし、イワナガヒメの外見は醜かったため、ニニギはイワナガヒメを送り返してしまいます。
オオヤマヅミは「イワナガヒメを妻として送ったのはニニギの寿命が岩のように長くなるからだったのに。ニニギとその子孫の寿命は木の花のように儚く短くなるだろう」と告げました。
こうしてニニギと現在まで続く歴代の天皇の命は短くなったと伝えられています。
個人的な考えですが、ニニギは偽りの愛の中で長生きするよりも、短い命のなかで一生けん命ひたむきに一人の女性を愛したかったのではないでしょうか。
コノハナサクヤヒメは富士山の神様として有名で、安産・子授けなどのご利益があります。
彦火火出見命(ヒコホホデミノミコト)
ヒコホホデミノミコトは天孫ニニギノミコトの子で、別名「山幸彦」として知られています。
山幸彦は弓を使った狩猟が得意で、兄の海幸彦は釣りを得意としていました。
ある日二人が弓と釣り竿を交換していると、山幸彦は兄の大切な釣り針を無くし、兄の怒りを買います。
山幸彦は海の宮殿を訪れ、そこで豊玉姫という美しい神様に出会い、夫婦になります。
さらに、豊玉姫の父・海神をかりて兄の釣り針を探し出すことができました。
海神は山幸彦に強力な力を秘めた二つの玉を授けました。
この玉を使って、山幸彦は対立する海幸彦を屈服させ、めでたく支配者になったと伝えられます。
この話は有名な昔話「浦島太郎」のモデルにもなっています。
山幸彦は父親ニニギノミコトと同じく農耕の神様として知られ、商売繁昌・航海安全・縁結びなどのご利益で有名です。
ヒコホホデミノミコトを祭る有名な神社には、鹿児島神宮(霧島市)などがあります。
なお、ヒコホホデミノミコトの陵は、高屋山上陵(霧島市)にあります。
豊玉姫(トヨタマヒメ)
ヒコホホデミノミコトの妻で、初代天皇(神武天皇)の祖母にあたる神様です。
海上安全、縁結び、育児の神様として知られています。
お顔が玉のようにきれいな方で、御子(ウガヤフキアエズ命)を出産するときも、産殿の屋根が葺き終わらないうちに軽々とご出産されたというエピソードがあります。
このことから安産のご利益で有名です
豊玉姫を祭る有名な神社に、豊玉姫神社(南九州市)があります。
豊玉姫の陵は、豊玉姫神社のすぐ近くにあります。
鵜草葺不合命(ウガヤフキアエズノミコト)
ウガヤフキアエズは初代天皇(神武天皇)の父です。
山の神ヒコホホデミ(山幸彦)と海神の娘・豊玉姫の間に生まれ、山と海の両方の霊力を併せ持つ偉大な神様です。
ウガヤフキアエズという名前は、母の豊玉姫が出産するとき、産屋(うぶや)の屋根の茅(かや)を葺(ふ)き終わらないうちに生まれたことに由来しています。
農業の神様として有名で、夫婦和合・子宝安産・延命長寿などのご利益で有名です。
ウガヤフキアエズを祭る有名な神社には、鵜戸神宮(日南市)があります。
ウガヤフキアエズと玉依姫の陵は、吾平山上陵(鹿屋市)にあります。
玉依姫(タマヨリビメ)
タマヨリビメは初代天皇の母君です。
豊玉姫の妹にあたり、豊玉姫がウガヤフキアエズを出産し、海の世界に帰った後は、ウガヤフキアエズを育てました。
甥に当たるウガヤフキアエズ命と結婚し、4人の子どもをもうけ、そのうち一人が神武天皇となりました。
タマヨリビメは、子宝安産・豊作豊漁・商売繁盛などのご利益で有名です。
動画
黒神埋没鳥居の雰囲気をより詳細に伝えたいと思い、動画を撮影しました!
御朱印情報
社務所はありません。
黒神埋没鳥居の観光情報
入場料
なし
住所
鹿児島市黒神町647
地図
桜島の大噴火によって埋まった鳥居
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